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【第1回大会(7/7更新)】
山口和幸の現場30周年ルポ #2

19/07/07その他

ツール・ド・フランス2019の開催期間中、SNSでツール・ド・フランス現地レポートをお届けしている、ライターの山口和幸さんのミニコラムをHPにてご紹介します!
現地で取材をして今年で30周年となる山口さんならではのコラムをお楽しみください!


第1回大会 (7/7)

1903年、スポーツ新聞「ロト」(現在のレキップ紙)の販売拡張キャンペーンとして自転車によるフランス一周レースが始まった。7月1日、水曜日の午後3時16分。60選手がパリの南約20kmに位置する「レベイユマタン」というカフェの前からスタートを切った。ツール・ド・フランスはこうして始まったのである。

第1ステージはリヨンまでの467km。煙突掃除人のモーリス・ガランが独走し、翌日の朝7時にソーヌ川沿いのゴールに到着したのだが、予想以上のスピードだったため、だれ一人としてガランを迎えられなかったという。レースは結局ガランが総合優勝する。

それから百年後の2003年、百周年のツール・ド・フランスが開催さることになる。2度の世界大戦のため11年のブランクがあるものの、百周年は盛大に行われ、それにふさわしいコースが用意された

大会初日のプロローグはパリのエッフェル塔直下をスタート。第1ステージはパリ北部にあるサンドニのフランス競技場(1998年サッカーW杯の決勝会場)を出発。パリ市内をパレードし、百年前と同様にレベイユマタンの前から正式にレースを開始した。最終ステージのスタート地点は、百年前の最終ゴール地だったパリ郊外のビルダブレに設定された。

「レベイユマタン」は日本語で「目覚まし時計」という意味だ。そんなレベイユマタンからツール・ド・フランスが始まったというのも象徴的。ツール・ド・フランスは百余年で飛躍的な進化を遂げ、スポーツイベントとして世界中の人たちが知る存在となっている。


2003年の第1ステージは、100年前と同様にカフェ「レベイユマタン」の前からスタートした

ライター/山口 和幸 Kazuyuki Yamaguchi

ツール・ド・フランス取材歴30年のスポーツジャーナリスト。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に講談社現代新書「ツール・ド・フランス」。大会期間中は、Twitter(@PRESSPORTS)やホームページで現地情報を発信。

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