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【シャンパーニュ(7/9更新)】
山口和幸の現場30周年ルポ #4

19/07/09その他

ツール・ド・フランス2019の開催期間中、SNSでツール・ド・フランス現地レポートをお届けしている、ライターの山口和幸さんのミニコラムをHPにてご紹介します!
現地で取材をして今年で30周年となる山口さんならではのコラムをお楽しみください!


シャンパーニュ (7/9)

フランスで最も生活水準が高く、見るからにリッチなエリアがシャンパーニュ地方なのかも知れない。シャンパンゴールドにきらめく発泡ワインの産地であることは日本でも知られている。有名なのはモエ・エ・シャンドン社で、同社の1ブランドであるドン・ペリニオンは「高級品」の代名詞だ。


このあたりは一大穀倉地で、7月の日差しを受けてまばゆいくらいに黄金色に輝いている麦畑が印象的だ。家並みもリッチだが、田園風景もオカネがありそうに見える。
その中心地は交通の要衝でもあるランス。「ランス」と発音するが、ランス・アームストロングのLanceじゃなくてReims。かつての王国時代は戴冠式が行われたノートルダム大聖堂がある。
フランス語でLanceというと「ロケットを発射する」という動詞の語尾変化形で、そのためアームストロングがまやかしの7連覇をしたとき(現在は全成績抹消)は「月に向かってロケット発射する」イラストが新聞各紙に何度か掲載された。もちろん人類初の月面着陸を成功させたアームストロング船長にひっかけたものだ。

フランスの子供たちの間で人気のポケモンでも、悪役として登場するロケット団の幹部としてランスが登場する。フランス人にとって彼はどこまでも悪役という感じなのだろう。
シャンパーニュ地方のランスやメッスがゴール地点となるときは、プレスセンターに最高級のシャンパンが用意される。醸造所のマダムがエプロン姿の職人たちを引き連れて、各国からやってきた取材陣を待ち構える。

「仕事をする前に私たちのシャンパーニュを飲みなさい!」ということだ。ここは逆らわないようにしておこう。

ライター/山口 和幸 Kazuyuki Yamaguchi

ツール・ド・フランス取材歴30年のスポーツジャーナリスト。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に講談社現代新書「ツール・ド・フランス」。大会期間中は、Twitter(@PRESSPORTS)やホームページで現地情報を発信。

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