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[VOYAGE -旅-]アルプスへ。これぞリゾート! ここでバカンス!
山口和幸の現地通信 #11

22/7/14

ツール・ド・フランス2022の開催期間中、SNSでツール・ド・フランス現地レポートをお届けしている、ライターの山口和幸さんのミニコラムをHPにてご紹介します!
CULTURE(文化)、HISTOIRE(歴史)、VOYAGE(旅)の3つのテーマでランダムにお届けします。
コラムを読んでいるだけで現地を旅する気分が味わえます。
長年現地でツール・ド・フランスの取材をしている山口さんならではのコラムをお楽しみください!


Twitterでは山口さんの現地レポートをお届けしていますので、こちらもお楽しみに! https://twitter.com/saitamacrite


[VOYAGE -旅-]アルプスへ。これぞリゾート! ここでバカンス!

ゴールの町に設営されるサルドプレス(プレスセンター)は見本市会場、アイスホッケー場などいろいろな施設が当てられる。スキー場などの場合はゲレンデに巨大なテントが設置されたりもする。ボクが一番好きなのは地元の学校がサルドプレスになったとき。校舎や体育館に入れるので掲示板を見たり部活動の様子が分かったりして、フランス学園生活の雰囲気が楽しめるからだ。

アルプス山麓にゴールするステージは、あらゆるスポーツイベントの取材でもなかなかお目にかかれないような光景が出現する。かつて、丘の上の高校にプレスセンターが仮設されたときがある。お昼は給食室に招かれた。ディズニーランドの乗り場のような迷路状の通路に他の取材関係者や運営スタッフらと並ぶ。ナイフとフォーク、受け皿は木製。水も貴重だから食後は焼却するのだと思った。

このときのアルプスのサルドプレスはリセ(高校)だったが、大学の学生食堂ならワインもある。失業者にも解放されていて、学割で利用できるらしい。この日はさすがに高校生には用意されないワインもあったので、それを受け取って空いている席に着く。開け放たれた大きな窓からアルプスの山々が視界に飛び込んでくる。のびのび育っていくんだろうなあ。

ツール・ド・フランス2022はオートサボワ県からサボワ県へ。「オート」というのは「高低差で高い」という意味だが、地名においては「地図上の北」となる。地名に「レバン」とつくところが多いが、「温泉」という意味だ。そしてサボワ県こそが本格的アルプス山脈だ。

このあたりのグルメと言えばサボワ料理。生ハムや乳製品が特産物で、フォンデュがレストランの名物。チーズを溶かした鍋がテーブルにセットされるので、1人で入店すると注文できないことが多い。お味としてはかなりくどいので、ツール・ド・フランス期間中に一度食べれば十分かな。

いずれにしても、「こういうところでゆっくり過ごすのが本当のバカンスなのかなあ」としみじみと感じる。1年でわずか2、3日アルプスの滞在だが、地球上で生きる喜びさえ満喫し、その翌日には灼熱の中央山塊に移動する。

ツール・ド・フランスはどこまで過酷なのか。

アルプスは勝負どころ
©A.S.O. Pauline Ballet

プロフィール

ライター/山口 和幸 Kazuyuki Yamaguchi
ツール・ド・フランス取材歴30年のスポーツジャーナリスト。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に講談社現代新書「ツール・ド・フランス」、「シマノ〜世界を制した自転車パーツ〜堺の町工場が世界標準となるまで」(光文社)。