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[VOYAGE - 旅 - ]カレー風味のムール貝
山口和幸の現地通信 #4

22/7/5

ツール・ド・フランス2022の開催期間中、SNSでツール・ド・フランス現地レポートをお届けしている、ライターの山口和幸さんのミニコラムをHPにてご紹介します!
CULTURE(文化)、HISTOIRE(歴史)、VOYAGE(旅)の3つのテーマでランダムにお届けします。
コラムを読んでいるだけで現地を旅する気分が味わえます。
長年現地でツール・ド・フランスの取材をしている山口さんならではのコラムをお楽しみください!


Twitterでは山口さんの現地レポートをお届けしていますので、こちらもお楽しみに! https://twitter.com/saitamacrite


[VOYAGE - 旅 - ]カレー風味のムール貝

フランス北部の港町カレーは、ドーバー海峡を隔てた英国との玄関口であり、鉄道のユーロトンネルがフランス側の地上に出たところ。市内にはムール貝などの魚介類を売り物にしたレストランが点在する。

このあたりはぶどう栽培には不向きで、ベルギーやオランダに近いこともあってビールもよく飲まれる。ビールによく合うのが、名物料理ムール貝だ。紫色をした貝がらが小さなネズミのように見えるので、ラテン語でそれを示す「ムール」と呼ばれるようになった。

レストランで注文すると大きなバケツに入ってテーブルに置かれ、同じような大きさのバケツに貝がらを放り込むようになっている。ナイフやフォークを使ってお上品に食べるには量が多すぎて、最初のムール貝を食べたらその貝殻をピンセット代わりにして次々と口に放り込んでいかないと埒(らち)があかない。

味付けは塩とセロリでゆであげたものがプレーン。それ以外にプロバンス風やカレー味など専門店に行くと10種類以上がメニューに掲載されている。大人数で行くときはそれぞれが別の味を注文し、味変して食べないとちょっと飽きてしまうかな。ちなみに6人でテーブルに座れば、バケツが12個テーブルに置かれることになる。

ただしベルギーでは7月中旬から翌年春のイースターまでがムール貝の季節で、それ以外はレストランではメニューから外される。ただしフランスではその条例は適用されないので、たいていのレストランでは注文することができる。

ツール・ド・フランス最終日、パリの夜はムール貝店に集まって全日程を取材した日本人取材陣で打ち上げすることが多かった。完走したばかりの新城幸也も顔を出してくれたこともある。散会して、夜風を肌で感じながらホテルに帰る道のりが人生でも最高の瞬間だ。

郊外型ショッピングモールのカフェテラスでムール貝
©Pressports.com

プロフィール

ライター/山口 和幸 Kazuyuki Yamaguchi
ツール・ド・フランス取材歴30年のスポーツジャーナリスト。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に講談社現代新書「ツール・ド・フランス」、「シマノ〜世界を制した自転車パーツ〜堺の町工場が世界標準となるまで」(光文社)。