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[VOYAGE -旅- ]2022年のいいところは休息日が休息日であること
山口和幸の現地通信 #9

22/7/10

ツール・ド・フランス2022の開催期間中、SNSでツール・ド・フランス現地レポートをお届けしている、ライターの山口和幸さんのミニコラムをHPにてご紹介します!
CULTURE(文化)、HISTOIRE(歴史)、VOYAGE(旅)の3つのテーマでランダムにお届けします。
コラムを読んでいるだけで現地を旅する気分が味わえます。
長年現地でツール・ド・フランスの取材をしている山口さんならではのコラムをお楽しみください!


Twitterでは山口さんの現地レポートをお届けしていますので、こちらもお楽しみに! https://twitter.com/saitamacrite


[VOYAGE -旅- ]2022年のいいところは休息日が休息日であること

ツール・ド・フランスでは2回目の日曜日に行われる第9ステージを終えると、翌日の月曜日に休息を取る慣例がある。2022年は北欧デンマークで開幕したこと、いつもより1日増の全24日間という日程であることで多少の例外といえるが、最初の休息日が来るとここで序盤戦が終わったという感じだ。

この最初の休息日がクセモノだ。平坦ステージが多い9区間を終えて、右回りならアルプス、左回りならピレネー直下に飛ぶ。選手は第9ステージのゴール後に専用機で一気に移動してしまい、休息日は朝からレースのない一日を過ごすが、クルマを運転するチームスタッフや取材陣は陸路の移動となる。選手のアテンドがあるスタッフは飛行機に負けないような速さで真夜中までに一気に移動。それ以外は半分ほど走ったところで宿泊する。

どちらかというと休息日じゃなくて疲労日だ。少なくとも陸路600kmの移動を余儀なくされる。しかも7月の第2週というのはフランス全土がバカンスに突入し、みんながこぞって地中海やアルプスを目指して大移動する。ツール・ド・フランス一行がその大渋滞にハマるのは当然だ。

ということで休息日というより疲れ果てるばかりの移動日で、ほとんどシゴトできません。ちなみに選手は休日をどう過ごすか?毎日かかさず乗っているので、1日でも走らないと調子を崩すらしく、午前中にのんびり30〜50kmほどをサイクリングする。目ざといファンはそれを知っているから、朝からホテル前で出待ちして、選手たちの後ろについて集団走行を楽しんだりする。

ところで2022ツール・ド・フランス。北欧デンマークで3日間を過ごしてからの移動は変則的だったが、それを除けば苦行の大移動がない。1回目の休息日はアルプスのモルジンヌ、2回目はカルカッソンヌに定住だ。さすがに最終日前日はフランス中南部から一気にパリ入りするが、それでもいつもと比べれば移動距離は短い。

すべてのツール・ド・フランス関係者はすこしだけ休息日らしい1日を過ごすことができそうだ。

©Pressports.com

プロフィール

ライター/山口 和幸 Kazuyuki Yamaguchi
ツール・ド・フランス取材歴30年のスポーツジャーナリスト。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に講談社現代新書「ツール・ド・フランス」、「シマノ〜世界を制した自転車パーツ〜堺の町工場が世界標準となるまで」(光文社)。