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ツール・ド・フランスでナショナルチャンピオンジャージのお披露目
ツール・ド・フランスの基礎知識 #2

23/7/2

ツール・ド・フランス2023の開催期間中、SNSでツール・ド・フランス現地レポートをお届けする、ライターの山口和幸さんのミニコラムをHPにてご紹介します!
今年のテーマは、「ツール・ド・フランスの基礎知識」。星の数ほどある伝説のストーリーから、テレビに映らない舞台裏まで。
現場取材30年の記者が21ステージにわたってコラムを連載します。
長年現地でツール・ド・フランスの取材をしている山口さんならではのコラムをお楽しみください!


Twitterでは山口さんの現地レポートをお届けしていますので、こちらもお楽しみに! https://twitter.com/saitamacrite


ツール・ド・フランスでナショナルチャンピオンジャージのお披露目

自転車競技では世界選手権で勝つと、世界チャンピオンの称号である5色の虹色のジャージ、アルカンシエルを1年間着用する。それと同じように各国のナショナル選手権で勝つと、その国の国旗をあしらったナショナルチャンピオンジャージを1年間着用するという慣例がある。

シーズン中は国を離れて所属チームの選手として活動するロードレースの選手も、毎年1回だけ母国に戻って国内選手権を戦う。チームとしての活動を休止できるのはこのときだけなので、国内選手権は日本を含めて一斉に開催する必要がある。その開催日がツール・ド・フランス開幕1週間前なのである。

ナショナル選手権で優勝することはプロとして非常に重要な意味がある。チームのおそろいジャージでなく、ただひとり国旗デザインを着用しているのだから目立つことこの上ない。レース会場で引っ張りだこだし、重要なレースに起用される回数も増える。さらに翌年の契約更改や移籍交渉も有利になる。

各国選手権に勝った選手がジャージをお披露目するのは当然ツール・ド・フランスだ。たった1週間でデザインを修正したジャージを作ってしまうサイクリングアパレルメーカーもスゴいが、優勝の可能性が高い選手はあらかじめデザイン発注しているのだとか。ただし日の目を見ることなく処分されたデザインは星の数ほどあったはずだ。

アルカンシエルやナショナルチャンピオンジャージを着用できるのは1年間。翌年の大会で勝てなかったらそれを脱ぐことになる。ただしかつてのチャンピオンである証としてエリとソデ口に5本の虹色、あるいは国旗をあしらったデザインをすることが認められている。

ツール・ド・フランスを彩るジャージの中にチームメートと異なるものを着る選手がいるので注意深く観察してみよう。

スロベニアチャンピオンのポガチャル ©A.S.O.Pauline Ballet

プロフィール

ライター/山口 和幸 Kazuyuki Yamaguchi
ツール・ド・フランス取材歴30年のスポーツジャーナリスト。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に講談社現代新書「ツール・ド・フランス」、「シマノ〜世界を制した自転車パーツ〜堺の町工場が世界標準となるまで」(光文社)。